野郎のたわごと

【ホラー】四国八十八ヶ所お遍路をしているときに実際に体験した怖い話「廃校の顔ナシ像」

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今回のお話は僕が実際に体験した怖い話です。
そういう話が苦手な方はブラウザバックを推奨します。

また、今回の話はユーチューバーの「ちゃがまらん」がお話を動画にして公開してくれています。効果音なども付き、より臨場感のある動画に仕上がっているのでそちらを先に見ると良いかもしれません。

それでは、僕の体験した怖い話を語るとしましょう・・・。

(ところどころ画像が粗い写真がありますが、それは8年前のガラケーで撮った写真だからです)

 

19歳の僕はお遍路旅をしていた

19歳の春、僕は遍路をしていた。
人生に行き詰まり、精神的に辛くなった末行き着いた先がこのお遍路旅だった。

弘法大師空海の遺した四国八十八ヶ所の寺を巡礼する旅、それがお遍路だ。

僕は徳島の一番札所から順番に徒歩で、お遍路旅をしていたのだった。
当時お金も無かった僕は宿に泊まるお金もなかったため、夜は野宿をして朝を待つ日々を繰り返していた。

これはお遍路を始めて数日が過ぎ、野宿生活にもようやく慣れてきた頃に起こった出来事だ。

 

とある山奥の寺に参拝し、山を下山していく。
時刻はそろそろ15時を回ろうとしていた。

(そろそろ今日の寝床を探さなくては)

そう思って僕は地図を眺める。
地図には、途中で出会ったベテランお遍路から聞いた、野宿ができたりトイレを貸してくれる場所が書き込んである。
こういった先輩お遍路から聞いた情報は、僕のような初心者お遍路には非常にありがたい情報だった。

遍路の間で出回っている野宿スポットを書いたメモ

地図をみると山を下ったところに2箇所泊まれそうな場所があった。
片方は東屋(あずまや)、もう片方は廃校になった小学校だ。

 

天気予報では明日は雨。
できれば今夜は屋根と壁がある場所で寝たいものだ。

寝袋しか持っていない僕にとって、屋根はとても大事なそんざいだった。

山を降りると、まず東屋が見えた。
キレイな東屋で屋根はあるが、壁はない。

遍路初日の雨の夜に、同じような東屋で寝たとき、風であおられた雨が中まで入ってきてずぶ濡れになった。
今の季節は3月。暖かくなってきたとはいえ、まだまだ寒い日々が続いている。もう濡れるのは勘弁したい。

(よし!今夜は廃校で寝よう。廃校で寝るなんて将来ネタになるかもしれない)

当時の僕はそんな軽い気持ちで廃校を今夜の寝床に選んだのだった。
この好奇心が忘れられない体験をすることになるとは知らずに。

 

廃校になった小学校

東屋から少し歩くと廃校に到着した。
時刻は夕方、空も曇ってきて薄暗くなってきた時刻だった。

校門の立札はもう読めない

廃校の校門には、おそらく当時の学校の名前が書かれていたであろう木の表札がかかっていたが、古くてもう読み取ることはできなかった。
木造づくりの廃校はかなり古く、外からは中のカーテンがビリビリに破れているのが確認できる。

ドラマとかに出てきそうな絵に書いたような古い廃校で、不気味な雰囲気が漂っている。

(なんか、えらいところに来ちゃったなぁ。やっぱりさっきの東屋に引き返そうかな)

そう思っていると、ポツポツと雨が降り出した。
今夜はもうここに泊まるしかなさそうだ。

幸いな事に、寝床に良さそうな場所は見つけられた。
校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下のコンクリート部分。

ここは上に屋根があり、二方向は校舎と体育館が壁となってくれている。
やはり2面だけでも壁があるというのはありがたいのだ。

その日の寝床

寝床を広げ寝る準備ができた僕は、トイレがないか探すことにした。
こういった古い学校だ。外にトイレがあっても不思議ではないはずだ。

校舎に向かうときに通ってきたグラウンドの方にはそれらしき建物はなかったので、中庭の方に歩いてみる。
中庭には池があり、その奥にトイレらしき建物が見えた。

(お、ラッキー。トイレ使えるかな?)

と思って池の方に歩いてみたのだが、池のほとりに不可解な白い影が見える。

池の淵に佇む白い人影

 

(こんな田舎の夕暮れ時に人影?)

しかも全身真っ白だ。なんだかおかしい。
もっと近づいてみると、それが白い石像だということがわかった。

が、白い石像と言うにはなんだか変だ。
全身は真っ白。しかし顔の部分だけは真っ黒な色をしている。黒色を塗っているとかではなく、まるで奈落のような闇の黒色だ。

触れるくらい近づいてみると、ようやくその黒色の正体が分かった。
白い石像の顔の部分が、丸ごと抜け落ちているのだ。

抜け落ちた部分からは石像の内部の空洞が見えるようになっていて、暗い闇を携えていた。

石像の中を覗こうとすると、その暗い闇は奈落のように底が見えない。
まるで吸い込まれる様な感じがして、僕はできるだけその像の顔を見ないように顔を背けた。

逢魔が刻の夕暮れの暗さが、その像の不気味さをさらに引き立てていた。

(嫌なものを見ちゃったなぁ)

そう思いつつ、当初の目的のトイレを利用してから歯を磨き、その夜は早々に寝袋に潜り込み寝ることした。

夜中の異変

夜中、犬の遠吠えで目が覚めた。

何時かは分からないが、辺りはまだ真っ暗なようだ。
遠くで犬が吠える声が聞こえている。

外は雨が降っているようで、ザーザーという雨音が響いていた。

雨音を聞きながら、僕はもう一度寝ることにした。

 

ザーザー、ザーザー

ザーザー、ザーザー

ザーザーゴッーザー

 

雨音に混じって、なにか音が聞こえた気がした。

 

ザーザーゴッーザー

ゴッーザーザーゴッザーザー

ザーザーザーゴッザー

 

!?

 

間違いない。何か音が聞こえる。コンクリートの床ににレンガを引きずるようならそんな音が雨音に混じって聞こえる!
そして、その音は確実に僕の方に近づいてくる!

恐ろしくなった僕は寝袋の口をかたく閉め、外が全く見えないようにして息を殺した。

ゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴッ

謎の音は僕の方に近づいてくる!

そして、僕の直ぐ側に来たときーーー!

 

音が止まった。

 

 

そして、猛烈に嫌な視線を感じる。
確実に今、寝袋の外には僕を見下ろし覗き込んでいるナニカがいる。

暗い奈落が僕を覗き込んでいるように感じ、体全体が凍りついた。

(このまま寝袋から出てはダメだ!)

本能的にそう悟った僕は、せめてもの救いを求めて寝袋の中で般若心経を小声で唱えた。
お遍路は訪れたお寺で般若心経を唱え納経する。この遍路期間中、何度も唱えてきた般若心経だから空で言えるくらい覚えていた。

僕は何度も何度も般若心経を唱えた。

 

そして、気が付くとーーー

 

 

夜が明けていた。
いつの間にか気を失っていたらしい。

その場には特に変わった様子もなく、前日に来たときと同じ不気味な廃校のままだった。
夜に降っていた雨は、まだ降り続いていた。

恐ろしくなった僕は中庭には行かずに、急いで荷造りをした。

荷物を背負っていざ出立しようとしている時に、近所の人らしきおばさんが犬を連れてやってきた。

「まあ、お兄ちゃんお遍路さん?ここに泊まったん?」

気さくにおばさんが話しかけてきた。

「ええ。ここに泊まらせていただきました」

知らない人とはいえ、昨夜あんなことがあった後だ。人と話ができることにホッとした。

ーーーーーのだが、おばさんの次の言葉で僕は再び凍りついた。

 

「昨晩は何もなかった?」

 

(どうしてそんなことを聞くんですか?)
という言葉を僕は飲み込んで

「なにもなかったですよ」

と作り笑いで返して、僕は足早に廃校を後にした。

 

おわりに

以上が僕が実際に体験した怖い話でした。
結局その後何かがあるわけでもなく、僕は無事遍路旅を終えました。

あの廃校での不可解な出来事。あれは夢だったのだろうか?
なんだか記憶がひどく曖昧です。

しかし、あのとき僕が感じたナニカの気配は間違いなくソコに居たと思う。なぜかそれだけは確信ができるんです。

もしかすると、僕は夜の間ずっと怖い夢を見ていただけなのかもしれません。
しかし、あれほど記憶がはっきりした夢は僕は見たことがありません。

すると、やはりアレは………。

不思議な出来事はあるものですね。

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シオ

シオ

H.2年生まれ。フリーランス。 ガジェット、アウトドア、バイクが好きなエストレヤ乗り。ローカルメディア「ありんど高知」編集長。 今年からハンター始めます。

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