野郎のたわごと

(3)【詐欺まがい商法】Iasis(イアシス)の無料体験会場に潜入して来たレポート

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前回の記事で、消費者センターに相談をして、対処法を伺いました。

その翌日、やはり実際にどういった手法で販売しているのかを自分の目で確認すべきだと思い、実際に無料体験会場に潜入して来ました。

ボイスレコーダーをポケットに忍ばせて、録音して来たので、この記事もその内容を聞きなおしながら書いています。

いざ会場のプレパブへ

無料体験は学校の授業のように時間ごとに組が決められていて、好きな時間割の時に参加することができる仕様。

僕は朝一番の10時から11時の無料体験に参加するために、朝9時に会場に向かいました。

 

会場はディスカウントストアの駐車場に建てられたプレハブです。

一見プレハブとはわからないように、レンガのウォールステッカーを張っていますが、近くで見るとつなぎ目が見えて一目瞭然です。

窓に貼ってある「よくある質問」では年金での支払いをさせる気が満々ですねw

 

開始一時間前に行くと、さすがにまだ参加する人は数人しかいませんでした。

しかし、開始10分前にもなると多くの老人が開場を待つようになりました。

10時になり、開場になったので、僕も潜入して来ました。

会場に入る時に参加者たちは、専用のスタンプカードにハンコを押してもらっていました。

このスタンプカード、「集めると何かいいことがあるか」と言うと、何もないそうです。

ただ、押してもらってどれくらい参加したのかを確認するだけ。なんじゃそりゃ。

 

それでも参加者は皆スタンプを押してもらって嬉しそうにしていました。

僕には理解できなかったのですが、小学生の時夏休みのラジオ体操のスタンプを集めて楽しむような感覚なのでしょうか。

 

 

会場の様子はセミナー会場のような雰囲気と設備

 

会場に入ると狭い部屋に40個ほどの椅子と、今回無料体験をする電位治療器「RS-14000」が置かれていました。

これが80万円もする医療器具とは思えないコンパクトさです。

また、壁にはホワイトボードとプロジェクターがあり、これから何かのセミナーを受けるであろうことが想像できます。

そして、それ以外の空いた壁にも、数々の張り紙があり、よくある質問や、品薄であることやスタッフの自己紹介などが告知されていました。

 

スタッフの自己紹介では、大きな字で「元オリンピック代表候補」「元プロ野球選手」と言うことが書かれてます。

プロスポーツ選手の体のメンテナンスをする元トレーナーならともかく、プロスポーツ選手が健康について語っても説得力がない気がするのですが、老人たちはあまり気にしていない様子。

 

プロとしてスポーツで頑張ってきた人が、老人相手に高額商材を販売する仕事をしているのかと考えると、社会の厳しさを感じます。。。

 

セミナー開始

 

全員が中に入り着席すると、スタッフが電位治療器「RS-14000」の電源をいれるように指示。
操作はボタンを2回押すだけなのでとても簡単でした。なるほど、これなら老人も使えますね。

 

そうして、マイクをつけたスタッフが前に立ち、元気な大きな声で話し始めました。
元プロスポーツ選手というだけあって、とてもがっしりとした体型の好青年といった見た目です。

 

 

スタッフ「それでは皆さん!今日も挨拶から始めて生きたいと思います!
それでは皆さん!おはようございます!」

 

「小学生かよ」って心の中で突っ込みました。

 

「この会場は、今目の前にある治療器、イアシスの宣伝・PRをしている会場です!そして私たちの使命は、イアシスを通じて全ての人に最高の笑顔と最高の感動を提供することです!ですので、最後まで無料でお試しができます!必要な方には販売していますが、こちらから無理な販売や押し売りはありませんので、ご安心してご来場ください!」

 

プロジェクターのスライドを使い、ハキハキした声でスタッフは話を続けます。

 

「この会場に初めて来たよって方はいらっしゃいますでしょうか!?」

 

僕は手をあげました。

 

「お一人いらっしゃいました!!!ようこそ!!皆さん!拍手で歓迎しましょう!!!拍手ー!!!」

 

会場は大きな拍手で包まれました。スタッフはタンバリンまで使って、大きな音を出してます。大はしゃぎ。
恥ずかしいからやめてくれ・・・

 

「はい!帰りは三段跳びでぴょんぴょこぴょんで帰れますので、楽しんでいってくださいね!!!

〇〇さんのお孫さんですよね!〇〇さん!お孫さん連れて来てくれたの!!ありがとう!!!

今日の宣伝部長の〇〇さんにはみなさん!さらに大きな拍手を!!!」

 

 

会場はさらに大きな拍手に包まれました。
祖父は嬉しそうです。

普段褒められることがほとんどない老人にとって、これは嬉しい体験なのでしょうね。

 

 

「この会場はこうして誘ってくださる方がいて初めて成り立っています!宣伝部長は今日は効き目が5倍ですから、楽しみにやってみてください!!!」

 

などと、ジョークを交えながら流れるように話が進んでいきます。
このジョークのやりとりも、後ろに控えている別のスタッフが合いの手を入れたりして、下手な芸人よりも面白い雰囲気。

 

「今みなさんにお試しいただいているのは健康器具ではありません!国から認められた、認定医療機器です!」

「さらに、前の方の2席は特別席でして、電子の治療に合わせて温熱での治療も行っております!

簡単に説明すると、みなさん、お湯とお水だとどちらが汚れが取れやすいですか?」

 

参加者「お湯ー」

 

「そう、お湯ですよね!血液も同じでして、温めながら電子を入れてあげると血液の汚れが落ちやすくなるんです!!」

 

血液の汚れってなんなんでしょうね?
胡散臭過ぎるんですが・・・

ちなみに僕はその特別席に座っていましたが、背もたれにヒーターがあるらしく、背中が暖かかったです。
うん、ヒートシート付きの椅子でいいですよね。これ。

 

こんな感じで、軽快な口調でセミナーが始まりました。
セミナー内容は、主に健康に関するお話でした。

最初の前口上の通り、売り込みなどは一切なし。

 

ただし、直接的に「買ってください」という訳ではなく、利用者の健康意識を触発させ、危機感を煽って製品を買ってもらうという商法のようです。

 

時折ジョークや客いじりも交えて聞く人を飽きさせない、客観的に見るとセミナーとしてはとても素晴らしいセミナーだったと思います。

 

詐欺師と同じ内容のセミナー

 

セミナー内容は「健康に気をつけましょう」という内容が主で、テーマとしては問題ありませんでした。

しかし、「いかにして健康な体を維持していくのか」という部分での実例として出したデモストレーションは問題大有り。
詐欺師がよく使う手口を使っていたので紹介しておきます。
特に問題に思った部分を取り上げます。

 

浄水器詐欺のよくやる実験商法

イアシスでは約60万円相当の「Aqua Rich II」という高級浄水器も販売しています。

セミナーはこのアクアリッチのデモストレーションをする流れになりました。

 

スタッフ「それでは、この浄水器のご紹介をしたいのですが、その前に皆さんが普段飲んでいる水がどれだけのどれだけの不純物が含まれているかを、目に見える形でお見せしたいと思います!

どなたか今日家からお水持ってきている方はいらっしゃいますか?」

 

前の方に座っていたおばあさんがペットボトルに入った水を手渡しました。

 

「ありがとうございます!

それではね、このお水にどれくらい不純物が入っているかを目に見える形にするために、電気分解をしてみようと思います!」

 

そう行って、スタッフはおばあさんからもらった水と、浄水器を通した水の入ったコップに2本の鉄の棒がコンセントにつながった機器を水に浸して、数分放置しました。

 

 

 

数分後、水の入ったコップは薄茶色に変色し、ヘドロのような固形物も浮かんだ液体に変わっていました。

 

「どうですか!これ、ただ電気分解して、目に見えるようにしただけで別に何も入れていないんですよ!

でも、知らず知らずのうちにみなさんはこの汚い水と同じものを飲んでいるんです!!

こんなお水を毎日飲んでいて健康になると思いますか?ならないですよね。

 

ちなみに、この浄水器を通した水は、電気分解してもこの通り綺麗なままです!」

 

浄水器を通した水は、電気分解する前と同じ状態で、確かに綺麗です。

 

「これは、水の中の不純物が浄水器で一切取り除かれているからこんなに綺麗なんです!」

 

とスタッフも得意気。

この結果に参加者からは「うわ・・・」という声が漏れていました。

 

 

 

さて、ここでネタバラシ。

この手法は浄水器の訪問営業でよく行われる手口です。

 

鹿児島県が公開している消費者トラブル相談例から引用します。

 

相談例2. 浄水器の販売業者が自宅を訪れ,「水道水の水質を検査する」と言って,水道水の入ったコップに機器を入れたところ,しばらくして泡が出て,その後濁り,ドロドロとしたものが発生して沈殿した。また,業者が販売している浄水器に水道水を通した後で同じ実験をしたところ,泡やドロドロしたものは発生しなかった。業者は「水質が悪い。こんな水を飲んでいると病気になる」と浄水器の購入を勧めた。不安になったので契約してしまったが,あの実験は本当だろうか?(50歳代 女性)
(アドバイス)
化学的な実験めいたことを見せて「この商品を買わないと安全性に問題がある」などと不安をあおり,効果的な裏付けがあるように思わせて商品を売りつける商法を「実験商法」といいます。
 相談事例2の場合,まず,泡については,コップに入れた機器に電極があり,水が水素と酸素に分解され気泡が発生したものと思われます。また,ドロドロとした沈殿物については,電極に用いられている金属自体が溶け出たもので,水道水に含まれていたものではないと考えられます。水道水はミネラル分を含むため電気を通しやすく電気分解されますが,浄水器を通した水道水はミネラル分が除去されため電気分解がおこらず,同じ実験をしても泡や沈殿物が発生しなかったものと考えられます。
 いずれの事例も正常な水道水なら必ず起こる現象ですので,実験に惑わされないことが大切です。

 

 

つまり、実験結果の水の汚れは水道水に元から含まれていたものではなく、差し込んだ電極の金属が溶け出たものだということです。

これは昔からある手口で、まさか2016年の現代にそんな化石化された手口で得意気に喋る人がいるとは思いませんでした。

 

 

小学生でも分かる化学反応のミスリード

また、セミナーの話は「添加物が体にいかに悪いものなのか」の話になりました。

 

スタッフ「それでは、添加物がいかに体に悪いものなのかをわかりやすくするために、誰か汚れた10円玉を貸していただけませんか?」

 

そう言ってスタッフはまた参加者から汚れた10円玉を借りて、ケチャップとマヨネーズに付けました。

こうやって参加者からモノを借りるのはマジシャンがよくやりますよね。

 

数分後。

 

スタッフ「はい、それではみてください!ケチャップとマヨネーズには添加物がたくさん入っているのでたくさん入っているので、10円玉の汚れもこのように溶かしちゃうんです!」

 

スタッフの手には綺麗になった10円玉がありました。

 

「これは別に磨いたりしてないんですよ。ただ、マヨネーズにつけておいただけ!

金属も溶かしてしまうものを体に入れて良いと思いますか?そう、ダメですよねー。」

 

 

またまたもやスタッフは得意気。

これには僕もさすがに失笑を抑え切れませんでした。

これは小学生でもわかりそうな化学反応です。

 

 

10円玉の汚れのサビは酸化銅です。その酸化銅が調味料に含まれる酢酸と反応して、水に溶けやすく化学変化を起こします。

CuO+2CH3CO2H ⇒ Cu(CH3CO2)+H2O

自由研究!10円玉をきれいにする方法の結果と考察・まとめ方

 

つまり、酸性の溶液なら汚れの原因の酸化銅は化学反応を起こし、別の物質に変わるので10円玉は綺麗になるのです。
食品添加物が汚れを溶かす?何言ってんだこいつは。

 

 

 

健康のためをうたうが、実は不安を煽るセミナー


このように、セミナーの中では事実をミスリードさせる言いぶりで、不安を煽る内容が多数登場しました。

他にも

「薬は石油からできているので体に悪い」

「ミネラルは鍾乳石の元なので体に悪い」

などということも言っていました。

 

 

そして、最終的には「健康になるためにうちの製品を買いましょう」という流れに意識が向かうように仕向けるためのセミナーでした。

これのキモは、決して直接的に「買ってください」とは言わないことです。

 

「この製品を買わないと健康になれませんよ」
ということを実験をしながら不安を煽り、隠喩的に伝えています。

 

そうすることで、クーリングオフの対象から外れ、返品させないことが目的なのでしょう。

なかなか巧みですよね。

 

 

おわりに

以上がイアシスのセミナー会場で行われていることの実態です。

電位治療器の良し悪しは僕にはわかりませんでしたがわかりませんでしたが、詐欺師と同じ手法でトークをしている時点で、僕は詐欺まがいな商法だと判断しました。

予備知識がなければ、巧みな話術で製品が欲しくなることは間違いないと思います。
僕も予備知識がなければ、製品を欲しくなったかもしれません。

ちなみに、電位治療器を実際にセミナーの間試していたわけですが、僕はセミナーの前よりも肩こりがひどくなったように感じました(笑

 

 

もし、セミナー会場に行くなら、予備知識を勉強した上で行くか、聞いたことをネットで調べるなりした方が良いでしょう。

↓こちらの本は漫画形式で高齢者詐欺の実態と対策が紹介されていて分かり易かったです。

また、直接の詐欺対策などが書かれている訳ではありませんが、「どういった心理で人は騙されたり、商品を購入してしまうのか」を詳しく解説した「影響力の武器」もオススメです。
詐欺対策だけでなく、人の頼みごとをする時や、交渉事を有利に進めるためのエッセンスが散りばめられた本です。

もし、そういった事前に調べたり、本を読んだりができないような状況なら、行くべきではありません。
きっとスタッフの言葉を盲信してしまう事でしょう。それだけ、洗練されたプレゼンでした。

 

一度購入してしまえば、おそらく返品は難しいと思われます。
ぜひよくお考えの上でご検討ください。

 

 

(関連)

http://kaisstyle.com/2016/12/09/5340

 

http://kaisstyle.com/2016/12/10/5305

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